特色ある専科授業
朝のエポック授業(中心授業)のあと、専科の授業がやってきます。この専科授業では一年を通じて継続的に授業を進めていきます。この授業は教科と学年によって週1回~3回の割合で行います。
外国語
1年生から外国語の教科があります。東京賢治の学校では英語が導入されています。外国語を習得するのに適した年齢はまさに低学年です。子どもたちは先生を真似しながら、小さい子どもが自分の母国語を習得するように覚えていきます。詩を唱えたり、歌を歌ったり、寸劇をしたり、外国語の持つ韻やフレーズ、メロディー、リズム、音楽性に入っていきます。4年生から文法が導入され、8年生までかけて文章構成の理解をさまざまな課程を通して学びます。高等部では教師はほぼ、外国の原文を使って授業を展開していきます。
音楽
シュタイナー学校においては朝から夕方まで、音楽が響き渡っています。まず朝のエポック授業の始まりは、歌やリコーダー、リズムなどをクラス担任と取り組みます。さらに音楽専科として専科教師による授業も行われます。1~3年生までは体をいっぱい使って歌を歌い、音のやさしい響きに耳を澄ましながらリコーダーを習得していきます。4年生からは楽譜が導入され、音楽のバリエーションが学年を追うごとに広がっていきます。高等部においてはオーケストラや合唱がより体系的になり、高度な音楽性を生徒に要求していくと共に、音楽を通して生徒一人ひとりの社会性を育んでいきます。それは音楽では、演奏するだけではなく、何より「耳を澄まして聴く」ことが大事だからです。
体育
1・2年生では体育は「遊びの体育」と呼ばれ、名前の通り自由な遊びの中で子どもは級友と体をいっぱい使って遊ぶ喜びを体験します。3年生以上はより器用に体を動かしながら飛んだり跳ねたり登ったりぶら下がったりして自分の体をコントロールし、空間を把握していく取り組みが行われます。さらに6,7,8年生では曲芸的要素も導入され、多様な身体の動きが要求されます。高等部でははっきりとした陸上競技が展開され、フェアープレーを土台にした競技試合が導入されます。
オイリュトミー
オイリュトミーはシュタイナーが生み出した運動芸術であり、唯一シュタイナー学校だけにある芸術教科です。
オイリュトミーは体操でもなく、ダンスでもなく、そしてパントマイムでもありません。言葉の中に生きる子音や母音、そして音楽の中の流れるメロディーやリズム、拍子や動きを通して表現する運動芸術なのです。 国語、社会、理科など教科においても私たちは言葉を使います。言葉の中には人間の思考が生きています。数学や幾何学にも思考が生きています。幾何学は図形になった思考です。音楽の中にも作曲家の思考と法則が生きています。
ということはオイリュトミーは「思考を動く」取り組みといえます。芸術的言葉や音楽を生み出す思考は、論理と法則性を内包しています。ですからオイリュトミーのフォルムにはさまざまな法則性を持った幾何学の要素が多様に用いられているのです。オイリュトミーを通して通常では頭を使って学ぶ教科が身体を使った学びになります。いわばオイリュトミーはすべての教科を集約し、それを動きで学ぶ教科なのです。 動きを通して思考を学ぶことによって子どもの一人ひとりの中に潜在する能力が活発に動き出します。
そしてその思考と法則は子どもの感受性を豊かにし、心に調和をもたらします。ですからオイリュトミーは心的体操とも言われているのです。しかもクラス全体でオイリュトミーを動くことによって子どもの社会的能力が驚くほど養われていきます。 このようにオイリュトミーはシュタイナー学校において幼稚園から高等部まで一貫して行われるとても大切な中心教科なのです。
手仕事、木工
手足を器用に動かすことに重点を置くシュタイナー教育において手仕事の教科は大切な専科のひとつです。 低学年では編み物や鉤針編みに取り組み、手先の器用さだけでなく集中力も養い、知的能力の土台を作ります。4年生からは、縫い仕事が始まり、クロスステッチから高等部の衣服製作まで発展していきます。 5年生からの木工の授業を通しては、硬い素材との取り組みが始まります。木を削る、切る、かんなを使う、鑢をかける、磨くなどの大雑把な動きから繊細な動きまでを生徒は取り組みます。 高等部の芸術実践では週2回午後の2時間を使って籐制作、陶芸、木工、水彩画、油絵、紡ぎ、染色、織物、製本と多岐にわたった取り組みが実践されていきます。
園芸
大地と植物との取り組みは学校の菜園、花壇からから始まり、一年を通じて行われていきます。種をまき、雑草を取り、収穫し、食する中で、季節の流れ、植物の営み、食物の大切さを実践を通して体験し、「命の尊さ」を学びます。 さらに自然を観察することを通して、丁寧さや慎重さ忍耐力と持続力を学びます。またわたしたちは、校庭の菜園のほかに青梅に畑を借りて定期的に通いながら作物を育んでいます。
日本の伝統芸能
能
日本に伝わる高度な総合芸術である能をわたしたちは取り入れています。取り入れている学年はちょうどエポック授業で日本史の中世から近代を学ぶ7年生です。日本史の授業と並列して、その時代に生まれた高度な芸術である「能」を動という側面から深く学んでいきます。さらに11年生では深く日本史に入っていく中で、能の歴史とその精神性にも哲学的観点で取り組んでいきます。実践だけではなく理論を通して「能」を理解していきます。
民族舞踊(中野七頭舞)
日本に古くから伝わる民族芸能として、小中学部後期から中野七頭舞(岩手県小本)に取り組んでいます。深く日本文化を理解するには理論だけでなく芸術的な取り組みが何よりも大切だからです。そこで習得された踊りは学校の行事や地域とのつながりの中で毎年大切にはぐくまれています。
馬頭琴
自分の国の文化だけにとどまらず他の文化にも目を向けることがシュタイナー教育の願いです。わたしたちはさらに意識をアジアに広げ、実践においてモンゴルの馬頭琴に取り組んでいます。7・8年生で必修科目としており、この学年でアジアの地理を学ぶと同時に、実践的にアジアの文化に触れ、より深く親しんでいきます。このような取り組みを通してより包括的な他の文化に対しての理解力が育まれるのです。さらに高等部では選択授業になります。

