日本に根ざした学び

国内にあるシュタイナー学校の中でも、東京賢治シュタイナー学校の大きな特色とも言えるのが、日本の風土に根ざした学びを行っていることです。

シュタイナー教育というとヨーロッパのキリスト教的な要素を取り入れた学びをイメージされる方が多いかもしれません。ただし、シュタイナーは自身の教育法を、どの文化圏でもその国の風土に根ざしながら行っていけるはずだと確信していました。

どの地域にもそれぞれの土台となる土壌があって、風土や文化が出来上がります。そして、その地域の気候、地質、景観、食べ物など、すべてが活かされて初めて、子どもたちはその国で地に足をつけて生きていけるようになります。

大地に根ざした教育こそが、シュタイナー教育の原点なのです。そして日本でまったく同じことを考えていたのが宮沢賢治でした。東京賢治シュタイナー学校はシュタイナーと同様、校名に掲げた宮沢賢治の精神も常に意識して教育に取り組んでいます。

◇季節の行事


一年を通して日本の伝統的なお祝い事や暮らしを彩る季節の行事に親しんでいます。

4月 仏陀の生誕を祝う「花祭り」
7月 七夕
9月 賢治祭・お月見
10月 アイヌ民族の方との交流
11月 父親による感謝祭
12月 クリスマス
1月 どんど焼き
2月 節分
3月 雛祭

その他にも、味噌づくり、干し柿づくりなど、昔の日本の農家が季節の中で行ってきたことを授業の中で体験しています。また、この学校の菜園で採れた作物を調理し、味覚を通して季節を感じるということも、一年を通して行っていることのひとつです。頭を満たすだけでなく、身体を動かし、同時にお腹を満たすことで心が満たされ、子どものなかに自然と日本伝統の行事が入っていくのです。

◇伝統芸能

当校では、日本に伝わる伝統芸能や民族芸能も、積極的に授業の中に取り入れています。

深く日本文化を理解するには、理論だけでなく芸術的な取り組みが何よりも大切だからです。

■能・狂言

日本に伝わる高度な総合芸術である能楽を授業に取り入れるのは、エポック授業で日本史の中世から近代を学ぶ7年生と8年生です。日本史の授業と並列して、その時代に生まれた高度な芸術である能や狂言を、言葉の発声、表現の仕方もふくめて深く学んでいきます。

■民族舞踊(七頭舞)

小中学部後期からは日本に古くから伝わる民族芸能として、岩手県小本の中野七頭舞(なかのななずまい)という踊りに取り組みます。そこで習得された踊りは学校の行事や地域とのつながりの中で毎年大切に育くまれています。9年生は自分たちで浴衣を縫い、その衣装で舞台に立つという経験もします。

■アイヌ民族の踊り

毎年10月はアイヌ民族の方との交流の日を持ち、アイヌ民族の学びを行います。そこではアイヌの方々のお話を聞き、刺繍をし、踊りをし、歌を歌うという経験をします。そしてオープンスクールなどの公開行事の際には、自分たちで作ったアイヌの鉢巻き「マタンプシ」を付けて踊るという発表をします。