美術

色彩感覚、内面を見つめる、個を確立する

目的

美術の学びは低学年から始まり、12年生まで続いていきます。はじめはフォルムのない色だけの世界で純粋な色彩感覚を養います。学年が上がっていくと動植物など、少しずつ形を描くようになります。思春期に入ると、幾何学模様やモノクロの世界を描いて、自分の内面を見つめます。さらに高等部になると再び色彩豊かな世界を広げ、最終的には肖像画を描くことで、自分と向き合い、個を確立していきます。

特徴

美術では、低学年のうちは色彩のみを体験します。色を擬人化して先生がお話をし、その後にその色をたくさん描かせて純粋な色の体験をさせたり、“悲しい青”など、色彩の質を体験をさせていきます。その段階で子どもたちが描くのは、にじみ絵といって濡らした紙の上に色彩を広げるような絵です。にじみ絵は筆で少し触れるだけで色彩がふわっと広がるので、同時に子どもの感情も広がり、心豊かになっていきます。そしてエポック授業で動物や植物を学ぶようになったら、美術の授業にも少しずつ形の概念を取り入れていきます。

6年生になって思春期が近くなると、今度は色と色とを重ねて色彩に透明度を出したり、幾何学模様を描くことで、色彩とフォルムに対する感覚が養われていきます。同時に6年生からは色彩を廃したモノクロの世界にも挑戦することになります。思春期特有の自分の感情を出したくないという年頃では、白と黒だけの方が子どもの内面で起こっていることを意識化するのに役立ちます。ここではコンテで光と影だけを描いたり、スケッチをしたり、風景を描いたりします。

10、11年生になると再び色彩が現れます。今度はさまざまな色彩を合わせて、風景を描いたり、自分の内面をイメージして描いたり、模写や写実をしていき、最終的には肖像画を描くところまで到達します。描く人物は自分でも偉人でもどちらでもかまいません。いずれにしても誰かを描くことを通して自分自身を問い、生徒の中にはっきりした個が表れてきます。

育まれる力

色彩感覚、フォルムに対する感覚、個の確立