教員インタビュー:後藤洋子

後藤洋子

担任:2年生
専科:音楽・芸術(製本)

「学び続けようとする大人が近くにいることに意味がある」

◆教員養成講座を受けたわけ

もとは、公立学校の教員をしていました。
そんな中で、当校創設者の鳥山敏子先生に出会い、自然農や「からだとことば」の講座などに興味があって参加していました。
当初は、それを公立の教育に活かそうと考えていました。

でも、当校の講座で、ヘルムント・エラー先生という方の講座を受けたときに、すごく衝撃を受けました。
エラー先生は、「数学はとても道徳的な科目です」とおっしゃったんです。
シュタイナー教育では、2+3=5ではなく、5=2+3と学ぶ。
それは、「外から2と3を持ってきて、5にする」というエゴ的な行為ではなく、「5」はすでに自分の中にあって、2と3を他に「分け与える」という感覚に繋がるから。子どもの魂のしぐさとしては全然違う、というのです。

これまで公立学校で、「どうやったら分かりやすく学べるか」を頑張って考えていました。
でも、シュタイナー教育の考え方は全然次元が違うと感じて、愕然としました。
経験とかの問題ではなく、教師としての精神性、立ち方の違いだと感じました。
40歳のときです。
もっと学ぶしかないと感じた時に、当校と連携したドイツでのシュタイナー教員養成講座が開催されることを知り、公立学校をやめて参加しました。

 

◆なぜシュタイナー教員になることを選んだか

ドイツでの教員養成を終えて帰国した後、当校から「1年生の担任をやらないか」というお話をいただきました。
責任も感じ、自分でいいのか? という想いもありましたが、「完全な大人はいない。学び続けようとする大人が近くにいることに意味がある」という教員養成の時にうかがった話を思い出し、「完璧にはなれなくても、学び続けることはできるのではないか」と思って、引き受けることを決めました。

◆教員になって感じたこと

正直、教員になってから、これまでの人生の中でも一番大変だと思うようなことが色々ありました。
でも、不思議なことに一度もやめようと思ったことはありません。
人には、一人ひとりに人生の課題があると思っています。
公立の教師も意味があったけれど、今自分がこの教育をやることに意味があるはずだと思っています。

 

◆シュタイナー教員の魅力

一方的に教えるのではなく、お互いのやり取りの中から色々なものが生まれることです。
公立と比べて、シュタイナー教育のメイン授業は長い時間(110分)をかけて学べるので、気づきが深くなると感じています。
同じ授業でも、学びに出会った子どもたちのやり取りの中で進化して、新しくなっていくのが面白いですし、子どもたちが夢中になって学んでいることを感じられるのが嬉しいです。子どもが素朴な疑問として呟いたことを聞いて、授業が発展していくこともあります。
今は毎年やっている梅干し作りやたくあん作りなど、自分が経験したことがなかったことも、子どもと一緒に、学びを楽しみながら取り組んでいます。

◆プライベートの楽しみ方

何か作ること、特に自然や食べ物に関することが好きなので、季節の料理作りは気分転換になります。外に出て散歩すると、鳥や草花からも元気をもらえます。
夏休みは、夫婦で夕方から多摩川の土手でサイクリングを楽しんでいました。
夕焼けに向かって走りながら、雲のドラマチックな変化を見たり、虫の声に耳を澄ませたり。
土日は実家に帰って親の介護をするのですが、ついでに早朝に畑で作物づくりをすることも、楽しみの一つになっています。

 

◆教員になりたい方へのメッセージ

子どもたちの学びに向かう真剣なまなざしと笑顔に囲まれ、教師自身が新しく学べるやりがいのある仕事です。
ぜひ、共に子どもたちを育てる仲間になってください!