言葉や音楽を、身体を通して表現する運動芸術



目的
オイリュトミーは言葉の中に生きる子音や母音、そして音楽の中の流れるメロディーやリズム、拍子や動きを、身体を通して表現する運動芸術です。
言葉の中には人間の“思考”が生きています。数学や幾何学にも“思考”が生きています。音楽の中にも作曲家の人生や思考や法則が生きています。それを身体の動きを通して表現するオイリュトミーは、「“思考”を動く」取り組みと言えます。
言わばオイリュトミーは、すべての教科を集約し、それを動きで学ぶ教科なのです。
“動き”を通して“思考”を学ぶことによって、子どもの一人ひとりの中に潜在する能力が活発に動き出します。そしてその思考と法則は子どもの感受性を豊かにし、心に調和をもたらします。ですからオイリュトミーは心的体操とも言われています。しかもクラス全体でオイリュトミーを動くことによって、驚くほど子どもの社会的能力が養われていきます。
特徴
オイリュトミーは「美しいリズム」という意味で、ルドルフ・シュタイナーが生み出した運動芸術であり、シュタイナー学校だけの芸術教科です。ギリシャの神殿舞踏が由来で、それを現代風にアレンジして、音楽や言葉を身体を使って表現します。
「言葉のオイリュトミー」では子音や母音の響きを手の動きを使って表現し、「音楽のオイリュトミー」では流れるメロディや音符を表現します。同時に舞台となる空間では、さまざまな幾何学のフォルムを描きながら動いていきます。
低学年ではメルヘンの内容を、そして高等部では高度な技術を必要とする音楽作品や文学作品に取り組み、12年生では大きな卒業オイリュトミー公演を行います。このようにオイリュトミーはシュタイナー学校において幼稚園から高等部まで一貫して行われる、とても大切な中心教科なのです。
特徴的な衣装であるオイリュトミードレスは、人間の身体全体がひとつになるように部位でわかれず、全身を包み込むようにできています。オイリュトミーは流れる動きが多いので、それを表現するのにも適しています。
育まれる力
頭と身体と心の調和、社会的能力の向上